私がこれまで食べた中で一番印象的なステーキ

私の出身地はとにかく田舎です。今は、空いた土地にショッピングモールや結婚式場などが建ち、車も多いですが、私が子どもの頃はとにかく何もなく、車がなければお金を下ろすことも、買い物も、郵便を出すことも大変な場所でした。今でも、熊の目撃情報が新聞に出ると、自分の自宅の住所とほとんど同じということがあります。そんな田舎育ちの私は、子どもの頃に、田舎育ちならではのステーキを食べたことがあります。それは、シカ肉のステーキです。シカ肉のステーキというものが、高級なのか珍味なのかはよくわかりません。ただ、当時の私にとっては、動物園でよく見るあのかわいいシカを食べるのかと思うと、さすがに気が引けました。最初は、父の知人がすごいお肉を持ってくるというので、楽しみにしていました。その人が持ってきてくれたトレイをみると、たくさんの、脂身のないお肉が入っていました。早速食べてみようということになり、ステーキにすることになりました。具体的な調理法は覚えていませんが、普通に牛肉のステーキと同じように調理したのではないかと思います。目の前に出されたステーキがシカ肉だと思うと、なんだか抵抗してしまうのですが、とりあえず勧められるがまま、口にしてみました。すると、脂身が苦手だった私にとってはとても食べやすく、クセもありませんでした。これが一流のレストランだと調理法もいろいろあるのかもしれませんが、普通の家庭では、限界があるため、見た目がお肉の塊という感じだったのが残念でした。それでも、大人になってから、食べる機会がまったくないので、とてもいい経験でしたし、印象深く残っています。

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